top

2次電池の詳細

 


2.二次電池と上手にお付き合いするには?

(続き)
 さて、現代に戻ります。二次電池の詳細を語りましょう。

 二次電池を語る上で、今回の原稿の都合上、勝手に分類しますと、

1) 形状 (重量・大きさなど)
2) 起電力(公称電圧)
3) 正極・負極の組み合わせ
4) メモリー効果の有無
5) メーカが保証する充放電のサイクル(何回充電できるか?)
6) 忘れてはならない(ねぇ管理人さん、とツッコミの)公称電力 Ah(←公称容量と呼ぶ事も。) (ヤオ注:さて?なんのことやら)

 となります。

 中でも一番に注目されるのが、メモリー効果なわけです。
 メモリー効果とは、簡単に言って、バッテリーを完全に放電しきらずに充電すると、長持ちしなくなる現象を言います。
 しかしながら「放電しきる」とは、簡単なようで、実際難しいことです。身近な例を挙げると、コードレス親子電話がそうでしょう。あの子機を放電しきる……なんて、そうもいかないことです。

 二次電池の問題は、この「メモリー効果を回避しつつ、如何にして小型化し、公称電力を増やすのか?」に、尽きるのです。

 代表的な2機種について語ります。

●まずニッケル水素です。

 ここを訪れる皆様には、「 Ni-MH 」と記した方が分かり易いのではないでしょうか?
 この電池を発展させた牽引役は、ノートパソコンであったと記憶しています。
 仕事でお客様のノートパソコンを預かり、中を調査するんですが、電池は大抵これでした。で、購入時期を知って興奮するわけです。『おお! 結構まだまだ使えるゾ! この電池は!』と……。
 本当に、ニッケル水素は、優秀です。
 メモリー効果をかなり回避し、上手に使えば5年も持ちます。パソコンメーカー公称の持ち時間の約60%(!)も粘ってくれました。
「まぁ、30%でも持ちこたえれば上出来かな?」とんでもない。このデータは凄いと思います。メーカーさん、相当に頑張ったのでしょう。

 ところで充放電の公称回数ですが、これは宣伝文句そのままで本当です。
 かつて、「♪充電長持ち〜♪」と、乾電池の着ぐるみで縄跳びする某コマーシャルがありました。(ヤオ注:知らねーぞー?)それによると充放電サイクルは300回だそうです。
 これは本当でしょう。ニカドと比べて「 Ni-MH 」は、300回と言ったならば、本当に300回なのです。
(この点、メーカー担当者も自信たっぷりでした。ま、その人の感情・私情も入っているとは思いますが。)
 ただし、お約束ですが、無茶苦茶な使用は考慮外です。「手もみカイロで保温する」とかなんて、論外です。

 さて。

●お待たせ致しました。「理論上、メモリー効果が無いはずの」リチウムイオンです。

 これの牽引役は、携帯電話か、デジカメでしょう。
 リチウムイオン……。はい、「 Li-ion 」です。
 あるメーカさんは、『公称500回です』と言い切りました。
 はい、そうです。500回と言ったのならば、そのとおり500回なんです。
(別のメーカさんは300回と回答。バラツキがあるようですが、それでもすごいでしょ?)

 しかし、管理人さんも唖然とされているようですが、「高い! 買えない!」。
 実際ノートパソコンの部品で一番高価であり、かつ入手が困難な部品は、と言ったら、それは「 Li-ion 」なんであります。
 ですから、そのノートパソコンと「長年お付き合いするつもりの方」は、スペアバッテリーをすぐさま調達し、交換しながら使っていらっしゃいます。

 この、「交換しながら」がミソなのですね。大切に「保存しておく」のではなく、使ってあげるのです。これは、前述のニカド、ニッケル水素でも共通のやり方です。



 ふーん……。今までリチウムイオンバッテリーにばっかり目が行っていたけど、案外ニッケル水素もよさげな気がしてきましたよ。これは、いいヒントをもらったかも?
 さて、どうするかな……。



← 前のページ / ↑ page TOP / 次のページ →


top