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REPORT 5.

エンジンカットスイッチを作る!

 目的はズバリ、「リポート4.」で紹介した、エンジンブレーキ解除のためです。自転車は、上り坂で地球の重力と戦い、下り坂でスピードを堪能できてナンボの、存在なのです。だからフォルテは、ノーマルのままでは、まだ自転車とは言えないのです。
 とゆーわけで、さあ皆さん、ご自分の手で、愛車を真の自転車に生まれ変わらせてあげましょう!

 まずは材料集めです。
 その前に、ノーマルの仕様を確認します。
 バッテリーをテスターで測定すると、DC24Vでした。コネクタの方を見ると、プラグに「10A 250V」とあり、電線には「2x1.5mm2」の表示があります。つまりこれと同等以上の物だったら、まず問題ないハズです。
 そういうわけで、まず電源ケーブルは、2mm2 (注1)の単線を、プラスとマイナスの分だけ用意しました(注2)。
(注1.最初は同じ1.5mm2 の線を探したのですが、1.25mm2 の次は2mm2 となっており、1.5mm2 は、どうも日本にはないようなんです。)
(注2.コネクタはご承知のとおり3本ピンなんで、ほんとは線数は3本のはずなんですが、今回は「真ん中」のアース用の線は用意しません。なぜなら、現品のケーブルに「2x1.5mm2」とあり、つまり「このケーブルの中には“2線”しかない」と表示してるからです。ですので、アース線はないのだと判断しました。)

 次にコネクタですが、これは同等品のアウトレット、インレットの直角コネクタを一組用意しました。
 これが基本のパーツです。

電源ケーブルとコネクタ

 ここで、くれぐれも注意してほしいことがあります。コネクタのピンの右左、つまりプラスマイナスの向きを、念には念を入れて、正しく結線することです。写真右側のアウトレットコネクタをバッテリーに差し込み、左側のインレットコネクタを、モーターの正規電源プラグとつなぐのですが、ここでまちがえてプラスとマイナスを逆につないでいたら、スイッチを入れたとたんヒューズがとびます。(経験者 σ^^;) 繰り返しますが、コネクタに電線を結線するときは、コネクタの向きを十分に確認してから、作業を行って下さい。

 参考までに、僕がやったときのケーブルの長さです。
・バッテリー用コネクタ(写真右)から、モーター用コネクタ(写真左)までのケーブル…… 106cm(写真中央のケーブル)
・バッテリー用コネクタ(写真右)から、フリーのケーブル…… 176cm(写真右のケーブル)
・モーター用コネクタ(写真左)から、フリーのケーブル…… 150cm(写真左のケーブル)
 実際にやるときは、具合を見て適当に長さ調整して下さい。

 結線し終わったら、スパイラルチューブでケーブルを保護するのもいいですね。

スパイラルチューブでケーブルを保護

こんな感じ。スパイラルチューブは、外径 10mm 内径 8mm のもので、長さ 1M でちょうどいいと思います。

 さて、ここから難しくなります。なんと言っても、ここからは人それぞれの趣味が利いてくる世界だからです。ですから、ココ以降は、僕の場合はこうした、ということで、ただの参考にしていただけたら、と思います。
 それでは、僕が集めたパーツから紹介します。コンセプトは、「見た目は多少カッコ悪くても、ともかくすぐに入手できてすぐに取りかかれ、そして能力的には問題なし」です……。

スイッチ
 材料その1

「フルカラー 埋込スイッチB」
 WN5001P
 ナショナル

 一応、15A 300V(AC) です。

枠
 その2

「フルカラー 埋込取付枠」
 WN3700P
 ナショナル

 上のスイッチ用です。

チューブ用サドル
 その3

 エアコンのチューブ固定用
「PF サドル 16P」
(株)オーム電機

 主な物は以上です。このほかに、サドルとハンドルのパイプの隙間用として、0.5mm のゴムシート適量と、ボルトナット(M4x20)くらいですかね。

 では、まず、取付枠を改造します。今のままじゃ、両端が邪魔なんで、金ノコか、あったらグラインダーで、切断します。(僕はグラインダーでやりました。金ノコはしんどいかも……)

枠の両端切断

 ヤスリ等でバリとか処理してください。
 それで、これの、真ん中と右の、上の方にある、突起物に、マイナスドライバーを突っ込み、穴を押し広げます。
 将来「ボルト通し穴」になる部分です。

ひねり!

次に、ペンチを使って、いま押し広げた突起物を、手前側方向に捻って下に向けます。あんまり神経質にならず、大体でいいです。

うわっ、爪なげ!

 こんな感じです。

 さて、いよいよスイッチの取付です。枠の左側につけます。取付方法は、商品のパッケージに記載されているから大丈夫、わかります。簡単です。さっきやったように、マイナスドライバーで枠の突起物を変形させることによって、スイッチをカシメて、枠に固定するのです。

枠にスイッチを取り付ける

 なお、僕は下側を「スイッチON(通電)」としました。下り坂をエンジンカット(スイッチOFF・電気遮断)して高速走行中、エンジンブレーキをかける(通電復活)とき、左手親指を上から下へと動かし「ON」し、そのままハンドルを握る、という動作が自然にできるから、と思ったからです。

 次の作業ですが、サドルを取り付けるだけです。これは、フォルテのハンドルに付けるときにやります。が、とりあえず写真をお見せします。こんな感じになります。

サドルを取り付ける横から見る

 さて、いよいよフォルテへの取付です。
 ハンドルの左側に付けるので、今までそこに付いていたベルを、右側に移動させ、場所を確保します。

雨水が溜まりそう。晴れ専用車、てことで……

 下向きになっちゃったけど、気にしない!

 さあ取り付けます! 前述しましたが、隙間などは適当にゴムシートで埋めて下さいね。

サドルの色、なんとかならんかった……

 スイッチの方はこれで準備完了です。

 今度はケーブルを取り付けます!

簡単に取付取り外しができるように、難しい配線方法はやらない。

 この写真で大体の感じをつかんで下さい。所々ナイロンタイ(ケーブル用結束バンド)など使って、キレイに仕上げて下さい。

 あとは、ケーブルの端を、スイッチにつなぐだけです。

ここまでくると、もうワクワク!

 ケーブルのつなぎ方は簡単です。ケーブルの端を 1cm ほど皮を剥き、銅線をよって、写真の通り穴に突っ込むだけです。穴は上下のペアになるのだったらどれでもいいです。詳しくはスイッチのパッケージに記載されてます。
 線の外しかたは、すぐ横の細長い穴にマイナスドライバを突っ込んで、線を引っ張れば取れます。めちゃ便利。


 数あるスイッチの中で、なぜこのスイッチを選んだのかと言うと、
上の写真を見ていただければお分かりになると思いますが、
結線部を内部に隠すことができるからです。(それも簡単に。)
 多少の水汚れ、泥汚れに耐えられるのではないか、と期待して
います。
 もし、そんなことに拘らないのならば、もっと格好いい物が
あったでしょう……。

「枠」に関しては、これは「スイッチ」を決めたら自動的にコレと
決まってしまうものなのです。
 ですので、まねされる方は、スイッチは自分でじっくりと吟味し、
納得がいくまでお探しになる方がいいと思います。
 第一、楽しいですよ。

 さて、 試しに握ってみましょう。

にぎり!ポチッとな

 ハンドル全体像です。

ハンドルまわり

 こんな感じ。スイッチの枠がちょっと……て感じですが、まあ、お守りでもぶら下げるかなんかして活用してチョ。

 さてさて。

 バッテリーのスイッチを入れて、スロットルをあけて、モーターを動かしてみましょう。

 スタンドを立てて、フォルテ本体を傾け、後車輪を浮かします。その状態でスロットルを少しONしてみて下さい。
 異常なく動いたでしょうか?

 動かない場合は、次をチェックしてください。
1.バッテリーのスイッチは、本当にONされてますか?
2.エンジンカットスイッチがON(通電状態。二つ上の2枚並びの写真で言うと、右側です。左側はOFFの状態です。)になっていますか?
3.各コネクタは、きちんと奥まで刺さっていますか?
4.バッテリーのインジケーターランプを見て下さい。ランプがついていますか? ついていなかったら、バッテリー切れか、あるいは結線を逆にしてしまって、ヒューズを飛ばしてしまった可能性があります。ヒューズを取り外して、切れてないかチェックしてみてください。
5.以上でもダメでしたら、一度正規のモーター側プラグを、バッテリーに刺し直して、元に戻して下さい。これでもモーターが動かなかったら、フォルテ側の不具合です。(まあ、それはないと思いますが……。) これで動いたら、エンジンカット用ケーブルのどこかで断線しています。多分、コネクタの中で線が外れてしまったとか……。
6.どうやってもダメでしたら、もうお諦め下さい。元通り復旧して、このページのことなんか忘れてしまって下さい。残念ですが……。

 ……

 ……ああ、やれやれ。

 お疲れサンでした……。

僕のお部屋

 ……と、いうわけで。

 さっそくですが、

試し乗りで、また山登りしてきました!!('04/6/13)

 ……それで結果ですが(←はやっ!)、見た目はともかく、性能的には十分満足の行く出来になっていました。

・登り時、ノーマルと比べて、パワーが落ちる、ということはなかった。
 フル充電してから、結局計 16km ほど走って来て、そのあと電圧を測定したのですが、バッテリー直の数値と、延長ケーブルかましたときの数値に、差はありませんでした。
・下り走行時に、エンジンカットしたらモーターの抵抗が解除されてスピードが上がったし、そのときエンジンオンしたら、ちゃんと抵抗が復活した。
 ただし、下り坂は、ある程度の角度があって距離が長くないと(結果的に 40km/h以上出せる坂)、このエンジンブレーキカットの効果は体感出来ないかも知れません。街中のちまちました坂では、あまりやる価値がないみたいです。
・スイッチ操作時に、スイッチの枠が強度的に負けて、たわんだり動いたりすることはなかった。

以上で、僕は合格(まっ、いいんじゃない?……程度の)と判断しました。

 注:今はじめたばかりです。僕は当然これから乗り続けて様子を見ますが、もしかして急なエンジン ONOFF によって、どこかに不具合が発生するかもしれません。マネされる方は、そこの所、リスクを自己責任で負ってくださいね。よろしく。m(__)m

★ ★ ★ ★ ★ ★

 ……と、ゆーわけで。

 コホン……

 ここにつつしんで宣言いたします。

 2004/6/13 現在に於いて、

 わがフォルテは世界最速であり無敵

 です!

 今からはわが愛機を、

悪魔のフォルテ!

とでも呼んでください。お願いします。(←腰が低い)

テスト走行時の悪魔のフォルテ! 山の中の田んぼの前にて。

 冗談はともかく、自分もやってみようと思われた方は、繰り返しますけど、自己責任でやってくださいね。
 僕は貴方様のフォルテや、何よりも大切な貴方様ご自身の安全に、一切責任は持てないのです。

フォルテ、しぶく存在感を示す……

 悪魔のフォルテ、帰りにコンビニに寄って朝メシを買う、の図。

(2005,2,12)
○力様からキルスイッチについて面白そうな情報をもらいました。
どうぞそちらもご覧下さい。

 


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