REPORT 6.
目的は一つしかありません。フォルテで「ツーリング」です。
フォルテのスペックを見ると、
『 最大巡航距離 40km(フルモード), 60km(アシストモード) 』
とあります。おそらく実験室で出した、カタログ用の数値でしょうから、実際にはこの何割引きかの数字になるはずです。残念ですが、こんなんじゃ恐くて隣町にすら行けません。はっきり、これじゃダメです。
わが愛車フォルテ……。自分トコの街中でちんまりと乗っているだけじゃ、自転車として、あんまりにもミジメというものではないでしょうか? 自転車なら、遠乗りができなきゃ。そう思いませんか? 自転車が、その存在に於いて生まれながらにしてすでに持っているはずの、可能性の一形態、ロマン、といふものがないぢゃありませんか。そんなのイヤだ。
このフォルテで「ツーリング」。ぜひとも実現させたいものです!
で、燃料……バッテリーの問題なわけ。
もちろん近い将来、長時間運転可能なバッテリーが開発されるのは間違いないところ。
それは楽しみにとっといて、今の話、現状の話です。
これは夢ですが、コンビニで充電できるようになったらいいのにな、と思います。コンビニだったら、いまやどこにでもあります。こいつをなんとか利用できない手はないものか、と思うのです。行く先々で気軽に安価に短時間で充電できたら、これはホントに楽しいでしょう。
だが残念ながら、今はそうはなっていないわけです。(もちろん、いざとなったら、そこの店長と直に交渉して、時間当たりナンボで充電させてもらいますが……)
今は、コンビニで「乾電池」を購入するのが、現実的な手段となります。
最初は、しごく当然に、クルマやバイク用のバッテリーを考えました。
しかしながら、ツーリングの先々での購入のテマの問題と、その価格(←バカ高い!)、また使い終わった後の廃棄の問題を考えると、ちょっと実行するのに難しいものがあります。
その点「乾電池」だったら。
どこでもすぐに買えるし、使い終わったら「燃えないゴミ」として、比較的容易に処分できます。
値段だって 2500〜3000 円くらいです。(単一 16 個)
これで「使えれば」……!
乾電池こそ。
現状で、最適なエネルギー源と、言えるのではないかと思うのです。
ただの乾電池も16個(直列 24V )も揃うと、なんとなく「来たれ、勇者ども!」て感じがします。 |
適当な空き箱に詰めました。「乾電池野郎」と名付ける。(←『こち亀』ふう) 重量は約 2.5kg です。僕の重さが約 60kg で、つまりこれだけの重量がフォルテにのしかかります。 |
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2004,6,27 AM6:00
決戦の朝を迎える。天気は、いまにもポツリとくるんではないかと思われるような、蒸し暑い曇り空であった。
気温 27℃ 湿度 78% |
場所は河原である。決戦(もしくは決闘あるいは合戦)とくれば、場所は古来から河原と決まっているのである。
この川の堤防、この平坦な道、上流の橋から下流の橋までの、約 500m が、今からの戦いの場となるのであった。
電池が続く限り、気力が続く限り、この道を行ったり来たりの耐久テストである。
準備は万全。「乾電池野郎」も、いつでも来い、といった風情である。僕は高鳴る胸を押さえ、愛車とともに未来へと続く道を見据えたのであった。
いざ、実験スタート! 僕は愛車にまたがり、スロットルをあける――!
「おりゃ行けーーー!」
――
――
――
――ありゃ?
動かんぞ。
うんともすんとも言わん。
持ってきたテスターで電圧を測ると、針はゼロボルトを示す。さすがに焦って電池ボックスを一つ一つ確認しはじめる僕なのであった。
ほどなく、4個中1個のボックスが、通電していないことが判明。取り出してみると、電池の電極と、ボックスの接点との間が開いている。バネが壊れていて、電池を押さえきれていなかったのであった。
応急処理をし、ふたたび「乾電池野郎」を組み立てる。電圧が無事発生したことを確認する。
しかし、テスター持ってきてほんとよかった、と、思う今日この頃なのでありました……。
気を取り直し、今度こそ本当にスタートである。
ふたたび高鳴る鼓動を押さえ、未来を夢見てスロットルをあける――!
――が、しかし。
――
――嗚呼!
結果を報告する。……ダメ、でした。
モーターは約一秒間隔で、「ヴィン……ヴィン……ヴィン……」と唸ってはいるのですが、唸るだけで、ちっとも動きません。
この時点で、この実験は、「電池は使えない」という結論に達したのでありました……。
なんでダメなのかは、電気がわかる友人にでも訊いておきます。 今はご容赦……。 (2004,9,1) ……で、聞きました。 …… ……よくわからん。 なんでも、「容量」が足りない、のだそうです。 モーターが要求する電気の量を、乾電池くんは満足に 供給できなかった、と言うことらしい。 その点、電動自転車やバイクや車の専用バッテリーは、 そこんとこキチンと考えて作られているから すごいんだよ、とそのヤローは言うておりました。 (2004,11,13) バッテリーに関しては、こちらもどうぞ! 「おしえてっ!ランド様!」 |
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ここまで大げさに引っ張ってきて、こんな結末で申し訳ないことです。
ですがまあ、しゃーないでしょう。
せっかくですから、フルモードをやめて、アシストモードで堤防を少し走ってみることにしました。
この時間、早起きの人たちが、のんびりと散歩しています。じめじめしていて、汗ばむことでしょうにご苦労様です。
さて、アシストモードで走行すると、微かにですが、モーターが動いているのが感じ取れます。電池はまったくダメ、というわけでなく……いや、使えないことは確かなんですが……少しは走行の補助をしているようでした。時速
7km/h 前後で、文字通りほんの少しのアシストを感じながら、もう開き直ってのんびりと走行を楽しみました。
下流側の橋に到着し、上流に向かって引き返します。
弱々しいアシストを感じながらスタート地点、すなわち走行距離 1km に達したときです。急にその弱々しいアシストが、なくなりました。
場所が悪かったので、そのまま自走し、1.3km の地点で停車。まさか電池がなくなってしまったのかと電圧を測定すると、この時はまだ
23.5V は残っていました。
あれ、ヘンだなーと、後車輪を浮かせてスロットルを ON すると、ちゃんとモーターは動きます。(←負荷(例えば体重とか)をかけなければ、モーターは元気よく回るんです)
気を取り直し、ふたたび走行を開始すると、今度は 2km 地点でまたアシストがなくなりました。
この時点で、これは記録しておかねば、と思ったのですが、なんとペンを忘れていたことに気づきます。メモ帳やテスターや温度湿度計すら持ってきたのに、かんじんのペンを持ってこなかったドジさに、自分の事ながら呆れはててしまいました。
しばらくしてからスロットルを ON すると、また回るようになっています。
それで走行開始すると、2.7km 地点でまた、アシストがなくなりました。電圧を測定すると、22.3V
でした。
しばらくほっておくと、また復活します。弱々しいアシストを感じながら走ると、3.3km
地点でまた消滅。22.5V でした。
時計を見ると、AM7:00 です。ハラもへったので、都合がいいことに近くにコンビニがあったので、そこで休憩をとることにしました。おにぎりと共に、ペンを買ったのは言うまでもありません。
あはは、↑この写真、いかにも呆然としていますね。ホンマ、電池が使えないとわかって、ああこれからどーしよー、という気分でした。
さて、メシもすませ、走行開始です。
今度は 4.0km でアシスト消滅です。数分おいておくと復活しました。
次は 4.6km で消滅。この時は 22V でした。だんだん電池、減っていってます。
次は 5.3km で消滅。この時はすぐに電圧を測定しました。 21.5V 。しばらくして測定しなおすと
22V まで復活していました。
600〜700m ごと……。なんとなくわかってきます。
どうもフォルテの電気モーター、電圧が 21.5V 以下に低下すると、動かなくなってしまうようです。そして乾電池は、一度は電圧が低下しても、スイッチを切って放っておくと、少し、電圧が回復するみたいです。
これの繰り返しになっているようですね。
さて次は、6.0km 地点でアシスト消滅です。直後の電圧は 21.4V でした。4分放置して測定しなおすと
21.6V 。アシスト復活しました。
もうこんな感じです。
次は 6.6km 地点、ちょうどスタート地点に帰り着いて起こりました。21V です。時計は
AM8:00 となっていました。
気温 32℃ 湿度 60%(?) |
ちょうどキリがいいので、ここで終了することにしました。
乱暴に計算して、平均速度 3.3km/h の、なんとも実りのないヒマなテストとなってしまったことであることよ……。
テストの結論は、スタート直後に判明したとおり、乾電池は使えない、ということでした。
あらためて、電動自転車専用バッテリーの偉大さを知ります。
もうこうなったら、コイツに従うしかないでしょ。
次やることは、このバッテリーを使い切る事でしょう。はたしてカタログ値どおりの距離をたたき出せるのか、実験です。
バッテリーをもう1個購入して、日帰り旅行でもしてみましょうか?
1個使い切った地点で、引き返す。
データを取ったら、次は、一泊旅行です。2個使い切って、ホテルに宿泊して、充電して、帰ってくる……。
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2個使いで、フルモードで 80km (カタログ値)ですか。
さて、どこ行きましょうかね?
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